トークンエコノミーとITコンサルタント

旧帝大大学院卒業後、SIerからコンサルに転身した筆者が、トークンエコノミー、暗号通貨、構成技術やプロトコルについて学ぶブログになりました。最新の暗号通貨レポートの翻訳、ソースコードの解説、技術動向、週次レポート、など。特に、データ活用ビジネスの分界点・テクノロジー、資産価値を運用するテクノロジーも含めて書いていきます。

uPortを触ってみた

uPortを触ってみました。
uportはEthereumネットワーク上で分散型認証を実現するソリューションで、
Consensys社が開発を進めていることもあり、今後の利用が期待されています。

uPort.me


アーキテクチャはこんな感じ。
f:id:hacchan320:20180805210325j:plain

引用:
http://blockchainlab.com/pdf/uPort_whitepaper_DRAFT20161020.pdf

・導入手順
1.ユーザはuportをダウンロードし、認証情報を端末に登録
2.uportは秘密鍵を発行し、uport IDをEthereumブロックチェーン上、端末の公開アドレスをIPFSで管理
3.uport から発行されたuport IDと署名用の秘密鍵をDappsに登録
4.認証を行う場合、DappsはユーザにQRコードを表示。アプリでQRを読み取り
5.読み取り後、Dappsがuportに登録されているか、uportのコントラクトとIPFSに問い合わせ
6.問い合わせの結果、uportに登録されたDappsであることを確認できれば、ユーザからの承認確認へ
7.ユーザから承認された場合、端末からログイン情報を取得

環境はtruffle、node、uportのアプリインストールだけで実証はできるのでさくさく。

・触った感じ
・ユーザはuportアプリ上で自分の認証情報を管理できる
・データはEthereumネットワーク上のコントラクトでuportIDと公開アドレスのみ管理されるので、データのハッキングの恐れはない。
・ユーザは自分の秘密鍵を管理する必要がある。
・UX的にユーザは秘密鍵を管理する必要があるあたりは、{ログインID、パスワード}→秘密鍵となっただけにも感じるけど
ハッキングの恐れはなくセキュア(とも取れたり)、パスワードを紛失しても再発行OK。
・uport IDはユーザ、アプリごとに1対1に発行される


・データのプライバシー

結論からいうと個人情報はIPFSなどの外部にも保存されず、すべて端末の中の個人情報に問い合わせする方式となります。

上の図にある通り、uportは3つのコントラクトによって構成されています。

プロキシコントラクト:uportのIDを発行するコントラクト
コントローラーコントラクト:プロキシコントラクトを呼び出す前のアクセス制御するコントラクト
レジストリコントラクト:uportのIDと外部のデータ保存先のアドレスをマッピングするコントラクト

外部のIPFSというネットワークに端末のアドレスのみ保存していて、
レジストリコントラクトがuport IDとIPFSに保存されるアドレスのマッピングをとります。
なので、個人情報自体はIPFSには保持せず、承認時に端末から個人情報をアプリケーション側に返す動きをとります。
ちなみに、ERC725はオンチェーンに認証情報を乗せてしまっているのでプライバシーの観点から用途が限定されます。

Private Data on Public Networks – uPort – Medium


uportをDappsに導入する方法はすでにこちらの方々が漏れ分なく説明いただいているから特に説明はしません。

www.blockchainengineer.tokyo


y-nakajo.hatenablog.com

現状はユーザーが利用するDappsのクライアント側に自分の秘密鍵を手動で登録する作業が必要だから、
この辺をうめていくアドオンもまだまだ生まれるのでは?という印象。

多くのブロックチェーンの応用のほとんどはブロックチェーンである必要性や課題感を打ち出せていないなか、
認証情報や医療情報など、セキュアな情報に関してはBFTエコノミーであるとよりよい改善が生まれる領域があり、
一般的な非機能要件で満たされるべき要件を満たしつつ、
既存の要件では検討されていなかったUX領域に近い「利用しやすさ」や「データ連携の即時性」「透明性の担保」などで解決できる部分があるのでは?という期待があります。

暗号通貨界隈では、トークン設計によるインセンティブ設計の方が注目もされ、理由も利益に直結するわかりやすいです。

ただしそれは本当に暗号通貨である必要があるのかとか、導入障壁として既存の中央集権な人たちが自分たちのシステム上に
ポイントとFiat交換ができるAPIやオープンな仕組みを作ることととなんらかわりないのか、とかという部分では
まだまだ社会的な実証が進んでいない状態です。

本当に有益なブロックチェーンのソリューションが生まれるには、BFT耐性を持つ分散管理なエコシステムを持つことが必要なシステムが今後より生まれてくる必要があると思っています。

トークンエコノミーとBFTエコノミーの比較


どんなデータがBFT耐性であるとより社会にはよくて、そのアプリケーションはなにがありうるのかといった部分に興味があるので、今度も調査を続けていきます。

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