トークンエコノミーとITコンサルタント

旧帝大大学院卒業後、SIerからコンサルに転身した筆者が、トークンエコノミー、暗号通貨、構成技術やプロトコルについて学ぶブログになりました。最新の暗号通貨レポートの翻訳、ソースコードの解説、技術動向、週次レポート、など。特に、データ活用ビジネスの分界点・テクノロジー、資産価値を運用するテクノロジーも含めて書いていきます。

イーサリアムとビットコインの価格弾力性の比較

またまた暗号通貨のバリュエーションの話で面白い検証結果があったのでまとめます。
イーサリアム(ETH)とビットコイン(BTC)の価格弾力性についてvitalikが検証してました。*1

ethresear.ch


ビットコインイーサリアムについて、ある期間のブロック生成時間と価格の変動をもとに価格弾力性を比較したというもの。
価格弾力性は需給に対して価格がどれだけ変動しやすいかの指標であるため、価値の保存としての機能を持つBTCやstable coinとして注目されるTether(USDT)などを評価するのに重要な指標であると言えます。

例えば、野菜などの必需品は需要と供給の量は常に一定の間で変動しており、価格変動率が低くなります。代替性が効かないものに関しては変動率が低くなる傾向にあります。

逆に宝石なんかの贅沢品は、価格が下がれば需要が上がっていくので、価格変動率が上がる傾向にあります。


今回の検証結果を結論から言うと、BTCの方が価格弾力性が低く、ETHの方が価格弾力性が高いという結果になりました。

ただし、今回の検証は以下のノイズが含まれているので、妥当性には疑念があります。

1.イーサリアムの場合、ブロック生成時間はマイナーごとに異なる

1ブロックごとにマイナーは次のブロックのガス上限を決めることができるため、生成時間が異なることで需要の変動率の計算が複雑になるということです。
ただし、そこまで大きくガス上限は変わっておらず、影響は小さいのでは?という印象。

2.イーサリアムの場合、スマートコントラクトの送金に対してガスが発生

ガスの消費はスマートコントラクトの実装に依存します。
正しくはスマートコントラクトのデータが大きいほど1トランザクションあたりのガス消費が増えるので、生成時間に影響がでますよねということですね。
実装が複雑であればデータサイズも大きくなるので、消費ガスも大きくなります。

3.取引間の匿名性が確保された取引所間で送金

Tumblerと呼ばれるような、取引の匿名性を担保したサービスなどが黎明期直後はたくさんありました。
それらの間で送金されたトランザクションについては送金履歴が正しく残っておりません。
厳密には、ビットコインのオンチェーン上で取引された履歴が残っておらず、本来は送金していただろう取引高がわからない状態です。
現在はそのサービスが停止していますが、当時最大級の取引プラットフォームで利用されていた影響は少なからずあるだろう、というのが見解です。

結論

今回の結果を受けてBTCの方が価値の保存に向いているとかそういうことが言いたいのではなく、今回のようなバリュエーションの検証としては非常に重要な観点だったように思います。

今後もこういった海外の最新情報を紹介していきます。

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